今回は、健康診断のエコー検査で、脾臓に腫瘤が見つかったワンちゃんです。
脾臓に腫瘤ができた場合、多く見られるのが結節性過形成(良性の腫瘤)と血管肉腫(悪性腫瘍)なのですが、エコー検査やX線検査ではどちらかの鑑別は困難なため、多くの場合外科手術(脾臓摘出術)を行って、その後の病理組織学的検査で確定診断を付けます。
今回の結果は血管肉腫でした。
脾臓の血管肉腫は、脾臓の悪性腫瘍の約50%を占めるほど、よく見られる悪性腫瘍です。腫瘍が巨大であると出血に伴う貧血や血液凝固不全となる可能性があり、手術前に輸血など積極的な支持治療が必要となることがあります。また、肺や肝臓、心臓などに転移する可能性も高いので、手術後に抗がん剤を開始します。
このような脾臓の腫瘤は健康診断時のエコー検査で見つかることが当院では非常に多くなっていますので、かかりつけの動物病院で健康診断を受ける時には、ぜひエコー検査も一緒に受けさせてあげてください。